毛髪培養ブログ - 毛髪再生医療による毛髪の再生 -

海外の毛髪再生医療に関する翻訳記事。再生医療、幹細胞、IPS細胞、遺伝子の海外ニュースを翻訳してレポート

≫ 毛髪再生医療

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ 毛髪再生医療

毛髪形成と分子シグナル

毛髪再生医療を考える上で、毛髪形成に関わる遺伝子や分子シグナルの働きを明らかにすることは大きな助けになるであろう。今回ご紹介する翻訳記事では、毛包の形成に関わる分子シグナルについて解説しており、毛髪はさまざまな分子シグナルの複雑な働きを通じて形成されることがわかる。


- keratin.comより -

哺乳類の毛包の分化と増殖をコントロールする分子経路を明らかにすることは、通常の毛髪の形成のメカニズム、遺伝的な薄毛の基礎、毛包由来の腫瘍の原因を理解するうえで決定的な手がかりを与えてくれる。

哺乳類に対する通常のショウジョウバエの毛法の形成する上で影響を与える重要な遺伝子の発見は、毛髪の生物学的な研究において新しい展望をもたらしてくれた。

Homeobox遺伝子、hedgehog 遺伝子、patched遺伝子、wingless又はwnt遺伝子、disheveled遺伝子、engrailed遺伝子、Notch 1やarmadillo/B-catenin遺伝子は、一般的に全て毛包の形成や脊椎動物の発生において重要である。なぜなら、これらの遺伝子の全てはショウジョウバエで初めて発見され、つけられた名称もハエの遺伝子変異体形状をもとにつけられたものであるからである。

研究者達は毛包の形成に重要な多くの調整分子を特定してきた。しかしながら、それらの分子がどのように相互に関与するのかについてはまだ十分な理解が得られていない。毛包形成の初期において活性化する分子経路のひとつは、ßカテニンの分子経路であり、WNT分子シグナルの下流仲介物質である。WNT遺伝子群による生成物は、分泌性糖タンパク質であり、胎児や成体において、細胞の増殖、移動、細胞の運命を制御する。

WNTタンパク質は、細胞質におけるßカテニンの安定を促す能力により分類される。β‐カテニン依存性経路は、遺伝子転写を行うために、細胞核におけるβ‐カテニンの蓄積や細胞質の安定化を介して信号を伝達授受する。現段階における毛包の胚形成についての理解としては、WNT遺伝子にコードされたタンパク質が、毛包形成に関与する最初の物質である。しかし、WNT遺伝子シグナルを促し、毛包形成を活性化する分子シグナルの制御機構や遺伝子コードにおいてさらに初期の段階で機能するものが存在する可能性もある。

通常において、β‐カテニンによる分子シグナルは成体においては機能していない。遺伝子組み換えマウスにおける表皮において、β‐カテニンが発現するようにしたところ、毛包を形成し、β‐カテニンの毛包形成におけるその重要性を示した。その形成された毛包は、皮脂腺や毛乳頭を備えていたが、最終的には毛包腫瘍を伴った。逆に表皮におけるβ‐カテニンの発現がなくなると、毛包の形態形成ば抑えられた。動物実験によるこの特筆すべき発見は、最終的な治療への応用可能性を示唆している。

WNTシグナルは毛包形成における役割と同様に、毛幹そのものの分化にも関与しているようである。WNTシグナルは、毛の根元にあるprecortex細胞において活性化される。WNTシグナルの転写反応のための結合を介する転写因子Lef1のための結合部位が、毛髪ケラチン遺伝子のプロモータ領域において見つかっている。


骨形成因子(BMP) のグループの分子シグナルは、毛包の増殖と分化の両方の制御に関係があるとされてきた。BMP2は胚期の外胚葉で発現する。しかし、すぐに初期の毛包プラコード(プラコードとは、頭部外胚葉の一層の細胞層が肥厚してできた組織)と下部の間充組織に集中する。BMP4は初期の真皮の凝縮物において発現する。研究では、骨形成因子(BMP) のグループは、毛包形成を制御する分子シグナルのネットワークにおける重要な要素となり、毛髪成長期の毛髪の分化を制御する遺伝子プログラムを誘導するのに必要であることが分かっている。

腫瘍壊死因子のひとつであるectodysplasinとその受容体であるEDARによる、毛髪形成の制御メカニズムは、非常によく研究されてきた。X染色体に連鎖したEDA遺伝子の変異は、毛包の数が少なく、歯や汗せんの欠陥を伴う無汗性外胚葉性形成異常の原因となる。EDAR遺伝子は、BMP4やSonic hedgehog (SHH)遺伝子の発現に必要であり、これはEDA遺伝子が毛包形成の非常に初期の段階において活動し、毛包プラコードの促進と、周辺の細胞におけるプラコードの側方抑制の両方において必要とされる。NogginのようなBMPの作用を抑制する因子は、正常な毛包形成に重要であり、Nogginを欠損したマウスにおいては、通常のマウスよりも毛包が少なく、その成長も遅れる。

毛包の発達と毛髪の形成は、Notch分子シグナルが役割を果たしているとみられる何種類もの細胞の組織的な分化を伴う。Notch-1は、毛包の外胚葉由来の細胞内や、初期のプラコードの内部細胞、毛包バルブ、外毛根鞘の基底層細胞において発現する。Delta-1は、胎児の毛包形成においてのみ発現し、毛包プラコードの下に位置する前上皮の間葉細胞についてのみであり、プラコードの形成を促進するようであり、いっぽうにおいて周辺の細胞ではプラコードの形成を抑制する。Serrate 1 やSerrate 2は、内毛根鞘と毛幹を形成する毛母細胞において発現する。

Sonic hedgehog (SHH) 分子シグナルは、毛包形成においてかなり重要な役割を果たす。しかしそれらのプロセスをどのようにコントロールしているのかについてはいまだ不明である。Sonic hedgehog (SHH) を欠損させたマウスの皮膚では、発育不全の毛乳頭により毛がはえず、このことからSonic hedgehog (SHH) は毛包の増殖やサイズの決定をコントロールしていることが示唆される。



■引用元
hair biology - molecular mediators of hair follicle embryogenesis:より翻訳


人気ブログランキングへ


| 再生医療と毛髪の基礎知識 | 15:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

次の記事 | PAGE-SELECT | 以前の記事

毛髪培養ブログにCOMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://hairclone.blog63.fc2.com/tb.php/108-e3b81323

毛髪培養ブログにTRACKBACK

神戸垂水タウン情報